第367回労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 議事録

日時

2024年(令和6年)3月27日(水) 10時00分~

場所

東京都千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館
職業安定局第1会議室(12階)

出席者

公益代表委員
労働者代表委員
使用者代表委員

議題

  1. (1)特定募集情報等提供事業概況報告書の集計結果について(公開)
  2. (2)労働者派遣事業の許可等について(非公開)
  3. (3)有料職業紹介事業及び無料職業紹介事業の許可について(非公開)

議事

議事内容
○山川部会長 おはようございます。ただいまから、「第367回労働力需給制度部会」を開催します。本日は、労働者代表の永井委員が所用で御欠席でありまして、小野委員、坂爪委員、田尻委員、佐藤委員がオンラインでの御参加となっております。
 本日は、議題(1)として、「特定募集情報等提供事業概況報告書の集計結果について」の報告があります。その後、許可の諮問に係る審査を行います。許可の諮問に係る審査については、資産の状況等、個別の事業主に関する事項を取り扱うことから、「公開することにより、特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある」場合に該当するため、非公開となります。
 では、議事に入りますのでカメラの頭撮りがありましたら、ここまでとさせていただきます。それでは、議題(1)「特定募集情報等提供事業概況報告書の集計結果について」、事務局から説明をお願いします。
○小川補佐 それでは、事務局より、特定募集情報等提供事業の令和5年6月1日現在の状況等について御説明をいたします。特定募集情報等提供事業者については、毎年8月31日までに、その年の6月1日時点における事業の実施状況について、特定募集情報等提供事業概況報告書を作成し厚生労働大臣に提出することとなっております。特定募集情報等提供事業は、令和4年10月に施行された職業安定法の改正によって新たに設けられましたが、今回が初めての概況報告書の取りまとめとなります。
 この概況報告書の提出状況については、昨年10月25日に開催されました本部会において御報告させていただきましたが、今般、その主な内容について取りまとめましたので、御報告をさせていただきます。なお、より広く周知・広報する観点から、同様の内容について本日午後に記者発表を予定しております。また、お手元に参考資料といたしまして、特定募集情報等提供事業の1~4号までの各事業類型の説明資料及び概況報告書の様式を御用意いたしておりますので、適宜、御参照いただければと思います。
 それでは、資料を御覧ください。まず1ページ目の四角に囲んだ概要についてですが、1、事業概況報告書を提出した特定募集情報等提供事業者の数は902事業者となっております。なお、括弧内に提出対象903事業者とありますが、差し引きしますと、1事業者が未提出となっておりますが、この事業者は、提出の督促を行っている途中で事業廃止届を出しており、概況報告書の提出は不要となったところです。このことから、実質的に事業概況報告書を提出すべき対象事業者全てから提出があったと考えております。
 次に2、特定募集情報等提供事業者が提供するサービス数についてです。このサービス数は、参考資料の2ページにあります概況報告書の左下、⑦提供する主なサービスの名称欄に報告のあったサービスで、その総数は1,487サービスとなっておりますが、これは資料の※1にありますとおり、1つの事業者が複数のサービスを提供したり、1つのサービスが2つ以上の事業類型、例えば1号事業と3号事業の両方を行っているサービスなどに該当する場合があることに御留意いただければと思います。
 それでは、第1~4号までの各事業のサービス数についてです。第1号事業、つまり求人企業等から依頼を受けて、「求人情報」を求職者等に提供するサービスについては1,360サービス。第2号事業、つまり求人企業等から依頼を受けず、いわゆるクローリングにより収集した求人情報を求職者等に提供するサービスは125サービス。第3号事業、つまり求職者等から依頼を受けて、「求職者情報」を求人企業等に提供するサービスは590サービス。第4号事業、つまり求職者等から依頼を受けず、クローリングにより収集した求職者情報を求人企業等に提供するサービスは6サービスとなっております。第1号サービスを提供する特定募集情報等提供事業者が大半を占めているところです。また、2号や4号のように、クローリングにより情報収集を行っている特定募集情報等提供事業者は、現時点では少数の状況となっております。この傾向といたしましては、10月の部会で御報告した特定募集情報等提供事業届出書ベースでの状況とおおむね同様となっております。
 次に3、令和5年6月1日時点の状況についてです。これは、6月1日時点における各サービスにおいて把握した各概数を足し上げた累計となっております。まず、(1)求人情報を提供しているサービスについては、1号及び2号事業の実績となりますが、①提供した求人情報の概数の合計が約1億2,600万件。②収集した求職者情報、ここではサービスごとに登録されたアカウント数ですが、その概数の合計が約1億6,000万件となっております。なお、①の求人情報については、2号事業者がハローワークの求人情報をクローリングしている場合がありますので、内数としてハローワークの求人情報も含まれているところです。
 次に、(2)求職者情報を提供しているサービスについては、3号及び4号事業の実績となりますが、①提供した求職者情報、これもアカウント数ですが、その概数の合計が約9,500万件。②提供先の求人企業、これもアカウント数ですが、その概数の合計が約240万件となっております。この3の各係数については、次のページで詳しく御説明させていただきます。
 次のページを御覧ください。まず、構成について御説明いたしますが、表は1から、ページをまたいで4までありまして、それぞれ表1及び2は、1ページの3(1)の①②に対応いたしまして、表3、4は、同じく3(2)の①②に対応いたします。また、各表の係数をそれぞれ図、グラフにしておりますが、例えば図1が表1の①に対応いたしまして、下の図2が表1の③に対応いたします。その他、表1の②及び④に対応する図はありません。今回、提出されました事業概況報告書を取りまとめるに当たりましては、できる限り詳細に集計結果を報告することを目指す一方で、全て図にしてしまうことで、別に公表されている情報等と照らし合わせることにより、個社が特定されてしまう恐れがあるものについては公表を控えるということで、可能な範囲で詳細にお示ししつつ、個社の特定は避けることとの両立を基本的な考え方としております。そのため、表1については、①と③を図にしたところです。同じく、次のページ以降の表2~4についても、同様の考え方に基づいて図にする項目を絞っているところです。
 2ページに戻っていただいて、まず、1の特定募集情報等提供事業者が労働者の募集に関する情報を提供している場合について、表1で、いわゆる求人件数の合計について御説明いたします。図1は、1号事業を行うサービスにおける募集情報等提供事業者が提供した「労働者の募集に関する情報の概数」の分布で、表1の①に対応いたします。横軸は提供した「労働者の募集に関する情報の概数」で、縦軸はサービスを表したものです。御覧の横軸が1,000件以下のサービスが891サービスで、1号事業サービス1,258サービスに占める割合が約71%となっていることから、1号事業のサービスの多数は小規模にサービスを展開していることがうかがえます。また一方、横軸が50万件以上の比較的大きなサービスは11サービスありまして、上位の少数サービスにおける実績が事業全体において大きな割合を占めていることが分かります。
 次に図2は、1号事業と2号事業の両方を行うサービスにおける募集情報等提供事業者が提供した「労働者の募集に関する情報の概数」の分布で、表1の③に対応いたします。御覧の横軸の1,000件以下のサービスが45サービスで、1号及び2号を合わせて行っているサービス全体は102サービスですが、この占める割合が約44%となっております。一方、横軸が5万件以上の比較的大きなサービスは25サービスあります。これは2号事業者がクローリングという手段で求人情報を大量に収集していることから、1号事業のみ実施しているサービスに比べ、小規模に展開しているサービスの割合が低くなっている一方で、比較的大規模に展開しているサービスが多くなっているのではないかと推測されるところです。
 次のページを御覧ください。表2は、特定募集情報等提供事業者が収集した「労働者になろうとする者に関する情報の概数」の合計についてで、いわゆる収集した求職者のアカウントの合計について御説明いたします。図3は、1号事業を行うサービスにおける特定募集情報等提供事業者が収集した「労働者になろうとする者に関する情報の概数」の分布で、表2の①に対応いたします。横軸が、収集した「労働者になろうとする者に関する情報の概数」で、縦軸はサービス数を表しています。御覧の横軸が1,000件以下のサービスが827サービスで、1号サービス全体1,258サービスに占める割合が約66%となっていることから、ここからも1号事業のサービスの多数は、小規模にサービスを展開していることがうかがえます。また一方、横軸が50万件以上の比較的大きなサービスは36サービスあり、図1と同様、上位の少数サービスにおける実績が事業全体において大きな割合を占めていることが分かります。
 次に図4は、1号事業と2号事業の両方を行うサービスにおける特定募集情報等提供事業者が収集した「労働者になろうとする者に関する情報の概数」の分布で、表2の③に対応いたします。御覧の横軸が1,000件以下のサービスが67サービスで、1号及び2号を合わせて実施しているサービス全体、102サービスに占める割合が約66%となっており、図2とはやや異なりまして、1号のみ実施している場合と同様、1号及び2号を合わせて実施しているサービスの多数についても、小規模にサービスを実施していることがうかがえます。また、横軸が5万件以上の比較的大きなサービスは13サービスあります。
 次のページを御覧ください。こちらは、特定募集情報等提供事業者が労働者になろうとする者に関する情報を提供している場合について、表3で、いわゆる提供した求職者情報の合計について御説明いたします。図5は、3号事業及び4号事業を行うサービスにおける特定募集情報等提供事業者が提供した「労働者になろうとする者に関する情報の概数」の分布となり、表3の④に対応するものです。横軸は提供した「労働者になろうとする者に関する情報の概数」、縦軸はサービス数を表したものです。横軸の実績が1,000件以下のサービス数は301サービスで、サービス全体593サービスに占める割合は約51%です。3号事業及び4号事業を行うサービスの多数についても、小規模にサービスを展開していることがうかがえるところです。また一方、横軸が50万件以上の比較的大きなサービスについては37サービスあります。
 次のページを御覧ください。表4は、「労働者になろうとする者に関する情報の提供先の概数」の合計で、いわゆる提供先の求人企業の合計について御説明いたします。図6は、3号事業及び4号事業を行うサービスにおける「労働者になろうとする者に関する情報の提供先の概数」の分布で、表4の④に対応するものです。横軸が、「労働者になろうとする者に関する情報の提供先の概数」、縦軸がサービス数を表したものです。横軸の実績が1,000件以下のサービスは482サービスで、サービス全体593サービスに占める割合は約81%です。小規模にサービスを実施している割合がより高く、提供先ベースでは、小規模にサービスを実施していることが多いことがうかがえます。また一方、横軸が1万件以上の比較的大きなサービスは31サービスあります。
 以上が事業概況報告書の取りまとめの御説明となります。よろしくお願いします。
○山川部会長 ありがとうございました。それでは、ただいまの説明について御質問等がありましたら挙手をお願いいたします。Zoomで参加の委員の皆様については、Zoom内の「手を挙げる」機能を使うか、画面上に映るように挙手をお願いいたします。御質問等はありますでしょうか。冨髙委員、お願いします。
○冨髙委員 御説明ありがとうございました。丁寧に御対応いただいているものと考えております。引き続き分析を行うことで、業界の動向等も含めた実態把握にもつながると思いますので、是非、積極的なフォローをお願いしたいと思います。
 それから、この集計結果には直接的に関係するものではないのですが、連合の労働相談等では、依然として求人情報と実際の労働条件が異なるといった相談も寄せられておりますので、先般の法改正内容の周知等も引き続き徹底いただきたいと思います。以上です。
○山川部会長 ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等はありますでしょうか。平田委員、どうぞ。
○平田委員 ありがとうございます。まず質問です。資料の概要に枠で囲っている3つの数字があります。この規模感を把握するために、これらの数値について、ハローワークで提供している情報はどれぐらいあるのかを教えていただきたいと思います。
 それから、意見を1つです。かねて我々の問題意識でもあるのですが、産業構造が変化している中で、求人側である企業が求める人材等は複雑化・専門化しています。その一方で、就労ニーズは多様化していて、求職者側である働き手の知識や経験・能力、それからキャリアプランは個人で大きく異なっています。こうしたことを踏まえて、企業と働き手のミスマッチを最小化していくことが非常に重要だと考えております。我が国全体の生産性の改善・向上という観点からは、大企業だけではなくて地域に根ざす地元の中小企業の人材ニーズを、量と質の両面から満たす必要があると考えております。そこで、政府と民間の人材ビジネス事業者が相互補完的にマッチング機能を強化することが必要だと考えております。したがって、政府には募集情報等提供事業の実態把握に引き続き努めていただいて、今後の機能強化を期待しております。
○山川部会長 ありがとうございます。御質問でしたので、事務局から、いかがでしょうか。
○小川補佐 御質問ありがとうございます。ハローワークの実績ということで、直近の数字ではありませんけれども、ハローワークの月間有効求人数については約250万件という形になっております。月間有効求職者数については、約190万人という形になっております。
○山川部会長 ありがとうございました。よろしいでしょうか。先ほどお話がありましたように、ハローワークで提供している件数もこちらに含まれるということで、若干重複がありますけれども、こちらの取扱件数のボリュームの大きさというのは示されているのかと私も感じているところです。ありがとうございました。ほかに御質問、御意見等はありますでしょうか。原委員、どうぞ。
○原委員 ありがとうございます。質問と意見が1点ずつなのですけれども、質問は資料2ページ以降のグラフの部分なのですが、例えば、2ページの図1ですと50万件以上扱っている大きなサービスが11ということがありましたけれども、こういった、それぞれのグラフの対応する細かい数字は公表される数字なのかどうかということを1つ質問させていただければと思います。
 意見としては、感想程度の意見で恐縮なのですけれども、今回こういった情報が得られたということは、やはり令和4年の職業安定法改正の大きな意義の1つかと思うのです。今後、この情報を活用して、事業者を見守るとともに必要な指導などを行っていくこと。それから、政策形成に活かしていくということで、事務局の皆様は、毎年のことですから大変な部分もあると思うのですが、引き続き情報を精査していただき、継続して示していく中で、様々な検討に活かしていただければと感じました。以上です。
○山川部会長 ありがとうございます。御質問について、事務局から何かありますか。
○村野室長 どうもありがとうございます。今回については、この部会の場で説明させていただいていることでありますので、資料は、このままの形で今日の午後リリースさせていただきまして、部会の中で今、補佐から説明したように、この数字について御説明させていただいたということです。
○原委員 各グラフの、例えば図1ですと50万件までが何件とか、50万件以上が何サービスとか、そういった形での数字はどこかに出るのでしょうか、これは。
○村野室長 今の段階では、この部会での報告の中でのみとさせていただいています。この報告は議事録に残りますので、その中でご確認いただくことになります。今後、もう少し示せるかどうかについては検討したいと考えております。
○原委員 分かりました。統計的に、必ずしも細かい数字まで必要というわけではないのですけれども、様々な研究に使われるときに、各棒グラフの(数字が)何件、とあったほうが、例えば統計的な研究等に活かせるのかなと思ったものですから。ただ、先ほどお話がありましたように、個社の確定があるとまずいということもあるかと思いますので、可能な範囲で、今後、追々、数字については御検討いただければ幸いです。
○村野室長 承知しました。検討させていただいて、今後、さらにお示しすることも考えていきたいと思っております。どうもありがとうございます。
○山川部会長 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょうか。小野委員、お願いします。
○小野委員 ありがとうございます。コメントを述べさせていただきたいと思います。今回の報告書は第1回目でして、非常に意味のあることだと思っております。今後につながると思っています。
 概要の最初のところに特定募集情報等提供事業者の数がありますが、903事業者のうち902事業者、一事業者は取り下げられるという話でしたが、全数を網羅したという、これには厚生労働省の執念みたいなものを感じました。902というのはほぼ1,000ですので、これを追っていくというのはなかなか大変なことだと感じております。電話したりとか督促したりとかして、かなり御苦労されたのだと思いますけれども、是非、担当者の方には労いの言葉をかけて、是非、来年度も引き続き頑張ってやっていただけたらと思っております。以上です。
○山川部会長 大変ありがとうございました。担当者の皆様、非常にお疲れ様でした。ほかに御質問、御意見等はありますでしょうか。よろしいでしょうか。質問のほかに御意見、御要望も頂きましたが、何か事務局からありますか。
○中嶋課長 皆様、様々な御意見を頂戴いたしまして大変ありがとうございます。その中で労いの言葉まで頂戴いたしまして望外です。誠にありがとうございます。それで何点か御指摘いただきましたけれども、正に今回の事業については、令和4年の安定法改正の中で手を付けた部分でありまして、平田委員からも御指摘がありましたけれども、労働市場のマッチング機能を強化していくという観点から、一定のルールを整備していく内容でした。
 そこにおいて、届出や事業概況報告という基礎があるわけですけれども、それにとどまらず、冨髙委員から御指摘がありましたように、的確表示のようなところも、これを責務として課して施行しているというところであります。そういった全体像のうちボリューム的なところは、この集計の数字である程度全体を把握することができたと思っているわけですけれども、原先生からも御指摘がありましたように、更なるブレークダウンができないのかというところもあります。そのようなところも含めながら経年的にしっかりと見て、その他、定性的なところや機能、そのようなところも可能な限り見ていきながら、この業態についてもしっかりと施行・把握していきたいとそのように存じます。大変ありがとうございます。
○山川部会長 ほかに何かありますでしょうか。よろしいでしょうか。それでは、公開の議題についてはここまでとさせていただきます。